社会人が看護師になるための最短ルート?准看護師経由のメリットとデメリットを徹底解説
- 貯金がないので看護学校への進学をためらっている
- 学力に自信がなく入学試験に合格する自信がない
- 家事や仕事に追われ時間がないから進学なんてできない
看護師は安定した収入や雇用の豊富さなどで経済的自立を目指すことができます。
キャリア変更を考える社会人にとって魅力的な資格ではないでしょうか。
社会人にとって、看護師資格取得までの期間はできるだけ短いほうが望ましいものです。
早く看護師にないたいけど、学費や生活費が不安。
かつて私も同じ悩みを抱えていました。
しかし、准看護師から看護師になるという方法を選択し、準備期間もほとんど必要なく、4年間で看護師資格を取得することができました。
私の経験から、社会人が看護師資格を目指す場合、【准看護師経由】で取得する方法が実質的には【最短ルート】であると考えています。
社会人が看護学校へ進学する場合、【学費や生活費の準備】や【入試対策】などの準備が必要となり、それらの準備期間を含めて考える必要があるからです。
この記事では、准看護師を経由することが、社会人にとっての最短ルートである理由を徹底解説します。
この記事を読むと、准看護師を経由することが、社会人が看護師を目指す際の不安を解消する理由が理解できます。
社会人のための最短看護師資格取得ルート:3年制専門学校は本当に最短?
現在、最短で看護師資格を取得したいのであれば3年制かつ全日制の看護専門学校が最も短期間で取得できます。
就学年数だけを考えるとこの選択が【最短ルート】と言えるでしょう。
しかし、社会人が看護学校へ進学するためにクリアすべき課題が多岐にわたるため、誰もが簡単に3年制の看護専門学校に入学できるわけではありません。
- 学費の工面→400万円程度
- 生活費の確保→3年間分の生活費
- 家庭や仕事との両立→時間管理
- 学試験合格のための学力→高卒程度の基礎的な学力
特に社会人の方々がいったん仕事を辞めて3年間学習だけに専念するためには、資金面においてかなりの準備期間が必要となります。
この期間を考慮せずに看護師資格を目指した場合、准看護師経由よりも資格取得に時間がかかってしまう可能性があります。
看護学校進学をためらう理由はお金と学力
看護師に憧れていた私が社会人から准看護師からの道を選んだ理由は2つ。
お金がなかったことと、学力への自信がなかったことです。
当時、考えていたのは学費や生活費を確保するために働き、お金を貯めてから看護学校へ進学することでした。
しかし、当時の年収が250万円程度でしかなかったため、学費をためるのは何年も要し、現実的ではありませんでした。
学力に関しては全く自信がありませんでした。
原因はもともと勉強が得意ではなかったことと、一度社会人になってしまうと働きながらの受験勉強が厳しいと感じたことです。
学費が安いのは公立の看護学校。
学力が全く追いついていなかったので、その時点での合格の見込みはありませんでした。これもまた、現実的ではありませんでした。
お金も学力も全然足りないから3年制の看護学校は無理かも
3年制の看護学校を目指した場合の問題点
学費を準備するのに時間がかかる。
まず、学費を準備するためには貯金が必要です。当時の私の収入から考えると、最低でも2年間は貯金に時間がかかりました。
その当時は職業訓練給付金などの制度はなく、全て自己資金で準備する必要がありました。
現在看護師を目指されている皆様は、このような制度を積極的に利用すべきだと私は考えています。
入学試験に合格する学力をつけるために時間がかかる
当時の看護専門学校の入試倍率は、現在と比べて高く、入学試験に合格するための学力を身につけるのにも、数年かかると考えていました。
自力での合格が難しい場合、予備校を利用する費用も考慮に入れる必要があると思います。
若い高卒現役生たちと肩を並べる自信がない
数年かかってやっと合格できたとしても、高校を卒業したはかりの若い学生と一緒に勉することができるのか。うまくやっていけるのか不安です。
もともと勉強が苦手な私には、学業についていけるのかについても不安を感じています。
借りたら返さなくてはならない返済型奨学金
無収入の期間が3年間続くことにも不安があります。学費や生活費が不足すれば奨学金などを借りる必要もあるでしょう。そうした場合、返済には15~20年と長い期間が必要です。
3年制の看護専門学校を目指していたとしたら、今でも奨学金の返済をしていたでしょう。
準備期間を考えると最低5年はかかるため社会人には最短とは言えない
入学までの学費、入試対策のための準備期間に2年間かかると仮定すると、3年間の教育課程を修了する時、通算で5年間かかります。
≪総合的に考えて3年制の看護学校は無理だと判断しました≫
3年間の無収入期間の生活を考えると、準備期間が2年以上かかる場合や、高額な奨学金の返済に今も追われている可能性を考えると、やはり私のような社会人には3年制の看護学校を選択することは、現実的ではないと考えました。
3年制専門学校だけじゃない!社会人が4年かけて目指す准看護師経由からの看護師資格
私が選んだのは、准看護師資格を取得した後、看護師になる計画です。この方法が社会人にとって看護師への最短ルートであると確信する理由について解説します。
社会人の私にとっての最短コース 4年間で看護師に
資格取得までの期間は4年間です。看護専門学校の3年制よりも1年長くかかりました。しかし貯金も学力もない自分にとって、このルートが看護師資格への最短ルートでした。
准看護師を目指そうと決めた時から1年かからずに准看護学校に入学できました。
決意が変わらないうちに行動でき、今があると思っています。
学費が安い准看護学校
准看護学校への入学を検討すると、学費が看護学校と比べて1/3であることがわかりました。
入学時に支払う金額は頑張れば準備できる範囲だったため、すぐに受験することを決心しました。
入学後は働きつつ学び、何とか自分で学費を準備できました。
大変でしたが、自分の力で学費を工面できたことは、今でも誇らしく思います。
基礎的な学力で十分、中卒レベルの入学試験
学力面についても現実的でした。
入試内容は中卒レベル。もともと勉強が得意ではなかった私ですが、受験までの期間、中学レベルの国語、数学の基礎的な内容の問題集をひたすら勉強しました。
そして無事、准看護学校に合格することができました。
18歳から50代まで 多様な年代の人と学べた
准看護学校では、高校卒業直後の学生だけでなく、さまざまな年齢、さまざまな事情の人が同じ教室で学ぶことができました。
多様な年代の人と学べた准看護学校での日々は、私にとってかけがえのない経験となりました。
高校卒業直後の学生、子育てをしながら学ぶ主婦、転職のために資格取得を目指す社会人など、それぞれの背景を持つ人々が同じ教室で学び、支え合い、成長していく過程は、まさに人生の教科書を読んでいるようでした。
准看護学校卒業と同時に2年制看護専門学校で看護師を目指す
准看護学校の卒業を目前に、看護師を目指すため2年制の看護専門学校の入学試験を受けました。
入学試験の時期は准看護師資格試験とほぼ同時期だったため、入試対策はほとんどできませんでしたが、3校受験して全て合格。
試験内容は基礎的な問題でしたが、あまり良い出来ではなかったと感じます。
それでも合格できた要因を考察すると、試験の成績よりも、准看護学校の成績が評価されたと思います。
現役合格の秘訣は、准看護学校の成績をできるだけ良くすることです。資格試験対策だけでなく、看護の実践にも役立つため一石三鳥の対策です。
≪入学準備が最小限 准看護師経由を選択して正解だった≫
准看護学校入学を決めてからすぐに入学できたことが、看護師を目指すモチベーションを保つ秘訣だったと思います。学校と仕事の両立は大変でしたが、人生を変える決断をして、それを達成したことは自信につながり、今でも人生の支えになっています。
社会人が准看護師を経由することのメリット
働きながら取得できるのが最大のメリット 経済的に安定する
働きながら准看護師資格を目指すことができるため、在学中に経済的に困窮することはありませんでした。
また、准看護師資格は短期間で取得可能なため、2年間で安定した収入を得ることができます。
実務経験を積みながら看護師資格取得を目指せる
准看護学校に通いながら看護助手として医療の現場で経験を積むことができます。
座学だけでは身につきにくい知識や技術を現場で見聞きすることができるため、生きた知識として身に付けることが可能です。
准看護師としての経験が看護師国家試験に役立つ
看護師国家試験の内容は、准看護師試験の内容と重複する部分もあります。
また、国家試験では、准看護師として医療現場で経験した内容も出題されるため、国家試験対策として有利になります。
本気で目指すなら知っておくべき准看護師資格を経由するデメリット
就学年数が長くなる
一日も早く看護師になりたいと願うなら、准看護師資格を経由することは最短でも1年時間がかかるため、デメリットとなるでしょう。お金の準備と時間の調整が可能であれば直接看護師資格を目指すべきです。
働きながらの通学は時間管理が難しい
仕事と学業の両立には時間的な制約があります。限られた時間で効率的に学ぶ必要があるため、時間管理をしっかり行う必要があります。強い意志が必要となります。
准看護学校・2年制看護専門学校をそれぞれ受験する必要がある
准看護師経由の看護師取得のために最短コースを目指す場合、准看護学校と2年制看護専門学校、2つの学校の受験が必要になります。
それぞれの学校で入学試験があり、合格する必要があります。また、入学時期やカリキュラム、学習内容も異なるため、両方の学校に合わせて生活を見直す必要があります。
時間的な制約や学習量の増加は、精神的にも肉体的にも大きな負担となる可能性があります。
これらの点を考慮した上で、計画的に準備を進めることが重要です。
まとめ:社会人が看護師を目指す道
社会人が看護師を目指す場合、時間や経済状況などの制約があります。
これらの制約を克服し、現実的に看護師になるためには、准看護師から正看護師への移行を選ぶ方法が最も効率的であるといえます。
准看護師から正看護師への移行にはメリットだけでなくデメリットもあります。自分の目標や状況に合わせて、最適なルートを選ぶことが重要です。
この記事では、日本看護協会の調査をもとに、准看護師制度について私の見解を述べました。
日本看護協会が准看護師制度の終焉を望んでいることに対して反論するわけではありませんが、准看護師制度のメリットが無視されていると感じる点について自分の経験をもとに説明しました。
私も社会人から看護師を目指した経験があります。そのときには、准看護師制度があったおかげで、看護師への夢を追い続けることができました。
しかし、准看護学校が次々と閉校していく中で、私と同じように制約がある社会人が看護師を目指す道がなくなっていくのを見て、とても残念に思います。
社会人から看護師を目指すためには、制度改革や学習方法の多様化が必要です。
今後もより多くの人が看護師への夢を叶えられるように、准看護師制度の見直しや支援策の充実が進むことを期待しています。
准看護師制度の終焉は、社会人が看護師を目指しやすい環境が整ったときに、自然に訪れるべきだと思います。そのような未来を願ってやみません。
参考サイト(日本看護協会)https://www.nurse.or.jp/aim/jyunkan/pdf/genjyo.pdf#:~:text=3